あたりまえのように利用して、あたりまえに聞く「光回線」。
なんとなくはわかっているものの、「実は光回線て、何のことなのかわからない・・・」という方もいらっしゃるではないでしょうか。
引っ越しなどのタイミングで、光回線が何かがわからないまま新たに契約を結んでしまうと、思った以上に高い料金を請求されたり、通信速度が遅くて使い物にならなかったなんてことになりかねません。
そんなことにならないように、この記事では光回線の基本知識と、選び方のポイントをご紹介します。
光回線とは?
昔、理科で習ったはずの光の速さは、秒速約30万km。これは、たった1秒で地球を約7周半する速さだそうです。ものすごい速さですね!
光回線は、光ファイバーという高純度のガラス繊維ケーブルを利用したインターネット回線です。光ファイバーの中を光に変えられた情報が屈折・反射しながら進むことで、空気中を伝わる電波より確実に「速く・遠くまで」情報を伝えることができます。
ぱっとイメージできないかもしれませんが、この光回線が日本中はもちろん、海底にまで敷設・埋設され、世界中に張り巡らされているのです。
光回線のメリット
スケールの大きい話になりましたが、次はその光回線を利用したインターネットは、私たちにどのようなメリットをもたらしてくれるのか、身近なところを解説します。
光回線は通信速度が速い、そして使い放題
インターネット回線の種類には、光回線のほかに、代表的なものとしてモバイル回線、ケーブルテレビ、ADSLが挙げられます。
先ほどご説明した通り、光の進む速度はとにかく速いので、通信速度が一番速いのは光回線です。そして、インターネットが使い放題で、通信量を気にする必要がありません。
回線の種類 | 通信最大速度* | 解説 |
光回線 | 約1Gbps 速いものだと20Gbps |
光ケーブルを利用していて、通信速度が速い。一部プランを除き、インターネットが使い放題。 一般的な光回線は1Gbpsだが、最近では10Gbpsや20Gpbsの光回線も出てきている。 |
モバイル回線 | 約700Mbps (光回線の約70%) |
スマホと同じモバイル回線を利用したインターネット回線。モバイルルータにSIMカードを差し使用するのが一般的。 通信速度は、光回線の70%ほど。 |
ケーブルテレビ | 約300Mbps (光回線の約30%) |
テレビ放送で使用しているケーブルと光ケーブルを組み合わせることでネットに接続可能にしている。 通信速度は、光回線の30%ほど。 |
ADSL | 約10~50Mbp (光回線の約1~5%) |
電話回線を使ってインターネットに接続します。ADSLはサービス自体の終了時期が近づいているため、新規契約の申し込みは終了しています。 通信速度は、光回線の1~5%ほど。 |
* 最大通信速度は、最良の条件がそろった時に発揮できる理論上の最大値のことです。ご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。
通信が安定している
光回線は、通信の安定性も1番です。
それは、モバイル回線とは違い、物理的な光ファイバーケーブルで情報のやり取りをしていて、建物内までケーブルを引き込んでいるからです。
モバイル回線のように電波を利用する場合、天候や障害物などの影響で電波が弱くなり、通信が不安定になることがあります。
例えば、雨の水滴には電波を吸収してしまう特徴があるため、大雨の場合には電波が弱くなることがあるのです。電波を出す基地局から、モバイルルータやスマホまで届く間に電波が弱まってしまい、不安定な通信になってしまうんですね。
ひかり電話が利用できる
光回線を契約すると、一緒に電話機能を契約することができます。
ひかり電話とは、光回線を利用した電話サービスのことです。従来の固定電話は電話線を利用していますが、ひかり電話は光ファイバーケーブルを使用して通話をします。
ひかり電話のメリットはなんといっても、その料金の安さ。
固定電話が必要になると、「電話加入権」を購入しなければならず、その購入費用は39,600円(税込)と高額。月額料金も1,500円~1,900円ほどです。
ひかり電話であれば、加入権の購入も必要なく、月額料金も500円ほどに抑えることができます。
ひかり電話と加入電話の料金比較 (税込)
NTT東日本 加入電話 | ひかり電話 | |
初期費用 | 契約料 880円 施設設置負担金 39,600円 |
光回線と同時に申し込み、新たに電話番号を発番する場合、1,100円 |
月額料金 | 1,595円~1,870円 | 基本プラン 550円 |
通話料 | 市内通話 昼間~夜間の場合、9.35円/3分 | 日本国内の加入電話への電話の場合、8.8円/3分 |
アンテナがなくてもテレビ放送を見ることができる
実は光回線を利用してテレビを見ることができるのをご存じでしょうか。
新築物件を購入するとやらねばならないことの1つにテレビのアンテナの設置がありますが、光回線でテレビ視聴をすれば、このアンテナの設置が不要になります。
心配なのは、インターネットとテレビ、同時に利用したら通信がと切れるのではないか?という点だと思います。しかし、同時に利用することで通信が遅くなることはありません。これは、インターネットにはIP方式、テレビにはRF方式という別の通信方式を採用しているためで、互いに干渉しあうことがないためです。
専用の工事を行うことでテレビを2台以上視聴することも可能です。
光回線のデメリット
メリットいっぱいの光回線ですが、デメリットもあります。きちんと把握しておくことで、契約時にびっくりすることのないように備えましょう。
光回線の開通工事が必要な場合がある、また工事には時間がかかる
光回線は物理的なケーブルを建物内まで引き込むとご説明してきました。
引き込むということは、引き込むための工事が必要になるということです。工事では、建物に光ファイバーケーブルを引き込むための穴をあける必要があります。
この工事は、建物の状態により不要な場合や、立ち合いが必要な場合などさまざまです。
また建物の構造上、光回線が通せなかったり、周辺に電柱がない場合は光回線工事ができません。また、賃貸物件の場合には、管理会社から穴あけ工事の許可が下りない場合もあります。
賃貸物件の場合は、申し込み前に管理会社に工事が可能か確認をしておくとよいでしょう。
そして、この開通工事は早くて申し込みから1カ月、長い場合は数カ月の時間がかかります。
これは、工事業者が込み合っていたり、電柱などNTT側の設備確認に時間を要する場合があるためです。申し込み後、すぐ使えるようになるわけではない点をしっかり把握しておきましょう。
転勤・結婚などにより短期間で解約した場合、違約金が生じる
光回線の契約は、ほとんどの場合に2年契約や3年契約など、契約期間に縛りがあります。
そのため、その契約の切れ目以外で解約すると違約金が生じることがあります。
近いうちに転居の予定がある場合や、転勤が多いなどの場合には違約金がないプロバイダを選ぶか、違約金を支払うつもりで契約を行いましょう。
光回線のおすすめの選び方
ここまでで光回線とはなにか、メリット・デメリットをご説明してきました。通信速度や安定性で選ぶなら、光回線がよいことがわかったと思います。
では、そんな光回線をどのように選べばいいのかポイントをお伝えします。
1.通信速度と安定性で選ぶ
光回線の選び方の一番のポイントは、速さと安定性です。せっかくインターネットが使えるようになっても、遅くてイライラしたり、通信がしょっちゅう切れてしまうようではだめですよね。
速さを選ぶときは、「Gbps(ギガビーピーエス)」と「IPv6 IPoE方式(アイピーブイロク アイピーオーイーホウシキ)」に注目しましょう!
Gbpsの選び方
まず、Gbpsですが1秒間でどれくらいのデータを伝送できるかを示す単位のこと。Gpbsの前にある数字が大きいほど通信速度は速くなります。例えば1Gpbsと2Gbpsでは、2Gbpsの方が速いです。
この数字は、通信最大速度という形でホームページに掲載されています。最大通信速度というのは、最良の条件がそろった時に発揮できる理論上の最大値のことで、実際に出せるスピードは、最大通信速度の3〜6割くらいだと言われています。
では、お住まいの地域で実際にどのくらいの速度が出るのか?という疑問は、「みんなのネット回線速度」で各社の平均速度をチェックできますよ。
そして数字が大きければいいのかというと、10Gbpsや20Gbpsの光回線を契約しても、月額料金が高くなりますし、ルーターも速度に対応した高額なものを購入する必要があります。
快適にインターネットがしたいのであれば1Gpbs、オンラインゲームを楽しみたいなら2Gbpsの回線があればよいでしょう。
IPv6(IPoE方式)の選び方
Gbpsの選び方がわかったら、次は通信方式がIPv6(IPoE方式)に対応しているかを、ホームページで確認しましょう。
IPv6(IPoE方式)というのは、インターネットに接続するときの接続方法のことです。
従来使われていた、PPPoE方式は利用者全員が通らなければならないトンネルのような場所があるので、そこが混雑して速度が低下しやすくなってきました。そこで新たに登場した、IPoE方式を利用すれば混雑しやすいトンネルを通る必要がないので、光回線ならではのより快適なインターネット環境を手に入れられるのです。
最大通信速度が決まったら、次はIPv6(IPoE方式)に対応しているかを必ずチェックして、必要に応じて申し込みをしてください。
また、利用する際はIPv6(IPoE方式)に対応したルータを購入してくださいね。
IPoE方式に対応していなくても、快適な通信を利用できます。どの程度の速度が出るかは、「みんなのネット回線速度」などで平均速度をチェックしましょう。
2.安さで選ぶ
次は初期費用と月額料金をチェックしましょう。毎月料金がかかるものなので、月額料金が少しでも安いものがいいですよね。
料金については、各社工夫を凝らしたキャンペーンや特典を実施しています。月額料金や初期費用、ルータ代金などをしっかりチェックして、お得な会社で契約を行ってください。ドコモやau、ソフトバンクなどモバイル回線を提供ししている会社なら、スマホ1台当たりの利用料金が安くなるセット割を提供しているので、月額料金がかなりお得になりますよ。
ただ、ここで注意したいのは、最初の3カ月や1年だけはキャンペーン料金で安いという場合です。キャンペーン期間が終わると、標準料金がかかり高額となるということがないよう、きちんと2年間、3年間といった長期でのランニングコストを計算しておきましょう。
また、初期費用についても工事費を2年間分割値引きしてくれ、実質の工事費が0円になるという場合があります。こちらの場合も途中解約をすると、残りの工事費が一括請求されるのでその点もきちんと把握してから、自分に合った特典なのかを判断しましょう。
光回線を契約するなら、ここがおすすめ!
選び方のポイントをご紹介しましたが、光回線はたくさんの会社からサービスが提供されています。そもそも、どれとどれを比較したらいいのかから、わからない、面倒に感じる場合もあると思います。
そこで、快適ネット比較でおすすめと判断した光回線をいくつかご紹介します。
速さを重視するなら、NURO光
最初にご紹介するのは、NURO 光 です。
NURO光は、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する光回線。最大通信速度は2Gbpsと他社光回線と比較して高速です。他にも10Gbps、20Gbpsのプランも提供しています。
今回は、2ギガプランをご紹介します。
まず、2ギガプランは以下の3つです。詳しく見ていきましょう。
2ギガ(3年)プラン | 2ギガ(2年)プラン | 2ギガ(期間縛りなし)プラン | |
通信最大速度 * | 2Gbps | 2Gbps | 2Gbps |
IPv6(IPoE方式) | 〇 | 〇 | 〇 |
契約期間 | 3年間 | 2年間 | なし |
月額料金 | 月額料金が1番安い 5,200円 |
5,700円 | 契約期間の縛りがないけど1番高い 6,100円 |
初期費用 | ・契約事務手数料 3,300円 ・基本工事費 44,000円(36回払い) 特典で実質無料 |
・契約事務手数料 3,300円 ・基本工事費 44,000円(24回払い) 特典で実質無料 |
・契約事務手数料3,300円 ・基本工事費 44,000円(24回払い) →開通月1,841円、2~24カ月目1,833円 |
解約手数料 | 3,850円 特典で無料 | 3,740円 特典で無料 | なし |
* 最大通信速度は、最良の条件がそろった時に発揮できる理論上の最大値のことです。ご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。
* 料金は税込み表記です。
NURO光は他にもお得な特典をたくさん実施しています。特典はお申し込みのタイミングで変わっていることもあるので、公式ホームページでチェックしてみてください。
NURO光の特典 (2023年4月時点)
- NURO でんき・ガスのセット割引キャンペーン
- 高速Wi-Fiルーター無料プレゼントキャンペーン
- セキュリティソフト無料利用可能
- 選べるキャンペーン、お好きな方を1つ選べる
①NURO光新規申し込みで最大45,000円キャッシュバックキャンペーン
②1年間、月額980円で利用できるキャンペーン
ただし、そんな魅力的なNURO光にもデメリットはあります。お申し込みの際には以下に注意してください。
NURO光の注意したいポイント
- NURO光は、利用エリアが限られています。ご利用する地域がNURO光の提供対象エリアなのか、お申し込み前にきちんとチェックしましょう。
- 通常、光回線の開通工事には時間がかかりますが、NURO光は特に時間がかかるという評判があります。
回線速度にこだわりたいなら、NURO光はおすすめの回線です。ただし、開通までに時間がかかるため、乗り換えで開通を急いでいない方やモバイルルータなどの代替手段を検討できる方が申し込みに適しているといえるでしょう。
スマホをキャリアで契約しているなら、ドコモ光、auひかり、ソフトバンク光
続いておすすめするのは、ドコモ光、auひかり、ソフトバンク光です。
こちらを契約する理由は、速さより料金です。光回線とスマホをセットで契約することで、スマホの月額料金が割り引きになります。
各社の月額料金と、いくら割引になるかを詳しく見ていきましょう。
各社さまざまなプランがありますが、ここでは比較しやすいように1ギガプラン・契約期間2年間で比較しています。
ドコモ光 1ギガタイプA | auひかり ギガ得プラン、お得プラン | ソフトバンク光 | |
通信最大速度 * | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
IPv6(IPoE方式) | △ 選択するプロバイダによる |
× 対応していないが、独自回線を使用しているのでそもそも速い |
〇 |
契約期間 | 2年間 | 2年間 | 2年間 |
月額料金 | マンションタイプ 4,400円 戸建タイプ 5,720円 スマホとセットで、ご家族全員のスマホ1回線ごとの月額料金から、永年最大1,100円割り引き |
マンション 4,455円 ホーム 6,160円 スマホとセットで、ご家族全員のスマホ1回線ごとの月額料金から、永年最大1,100円割り引き |
集合住宅 4,730円 戸建住宅 6,270円 スマホとセットで、ご家族全員のスマホ1回線ごとの月額料金から、永年最大1,100円割り引き |
初期費用 | ・契約事務手数料 3,300円 ・標準工事費 マンション 16,500円 戸建 19,800円 |
・新規登録料 3,300円 ・初期費用 特典実質で0円 マンション 33,000円 ホーム 41,250円 |
・契約事務手数料 3,300円 ・回線工事費 26,400円 特典実質で0円 |
解約手数料 | マンションタイプ 4,180円 戸建タイプ 5,500円 |
マンション 2,290円 ホーム 4,460円 |
月額料金相当額 |
* 最大通信速度は、最良の条件がそろった時に発揮できる理論上の最大値のことです。ご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。
* 料金は税込み表記です。
月額料金は各社あまり変わらないので、ご自身の契約しているモバイル回線の会社を選ぶとよいでしょう。家族全員分のスマホ代が1,100円ずつ割り引かれると思うと、かなりお得ですね。
他にもキャッシュバックキャンペーンや、他社の違約金を負担してくれるなどお得なキャンペーンが盛りだくさんです。ぜひ公式ホームページをチェックしてみてください。
盛りだくさんの特典と老舗の信頼感のバランス!So-net光
スマホは格安SIMを使っているし、速さもそこそこでいい!料金の安さを重視するという方におすすめです。
通信最大速度 * | 1Gbps |
IPv6(IPoE方式) | 〇 |
契約期間 | 2年間 |
月額料金 | マンション 4,928円 戸建て 6,138円 |
初期費用 | ・事務手数料 3,500円 ・回線工事費 26,400円 特典実質で0円 |
解約手数料 | マンション 3,480円 (不課税) 戸建 4,580円 (不課税) |
* 最大通信速度は、最良の条件がそろった時に発揮できる理論上の最大値のことです。ご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。
* 料金は税込み表記です。
月額料金をパッと見ただけでは安さを感じないかもしれませんが、So-net光はとにかく特典がもりもりです。2023年4月の特典をご紹介すると…
- 50,000円キャッシュバック
- Wi-Fiルータ永年無料
- ネットセキュリティソフト永年無料
- 高速帯域オプションさくさくスイッチ 初月無料
- au、UQモバイル、NUROモバイル スマホセット割
50,000円のキャッシュバックを2年間で割ると、約2,000円の月額値引きに。かなりお得です。何年使い続けるかを考えながら、自分に向いているかを検討してみてください。
まとめ
ここまでで光回線について、基本知識と選び方のポイント、おすすめの光回線をご紹介してきました。
たくさんの会社から提供されている光回線の中から、自分に合った光回線を選ぶ参考にしていただけたら嬉しいです。
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