最近では一般的に利用されるようになってきた「格安SIM」。よく耳にするけど、実は何なのかよくわからないなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、格安SIMとは何なのか?なんで格安なのか?などその正体と、メリット・デメリットを詳しく解説します。
格安SIMとはどんなもの?
格安SIMとは、携帯キャリアに比べて安い月額料金で利用できるSIMカードのことです。SIMカードは、電話番号を特定するためにスマホやモバイルルータの中に入っている、小さなカードのことを指します。このSIMカードにより、電話番号を特定できるようになるから、電話やメールが使用できるようになるのです。
そして、格安SIMを提供する通信事業者は「MVNO」と呼ばれています。MVNOには、プロバイダや家電量販店、総合小売大手などさまざまな企業が参集しており、各社から格安SIMが提供されています。
通信事業を提供していなかった企業から格安SIMを提供できる理由、それは携帯キャリアから回線を借りているからなんです。
携帯キャリアは全国各地に、携帯の基地局を建ててモバイル通信を可能にしています。MVNOはお金を払って、その基地局などの通信設備を使わせてもらう事によって、格安SIMを自社のサービスとして提供しているんです。そのため、どこの携帯キャリアから回線を借り受けるかによって格安SIMでも「ドコモ回線」「au回線」など違い出てくるんですね。
格安SIMはなぜ安いのか?
理由1.設備投資にお金がかからない
格安SIMを提供するMVNOはキャリアから、アンテナや基地局などの通信設備を借り受けています。そのため、自社で基地局などの設置や維持管理を行う必要がありません。初期コストや運用・保守費用を抑えることで、格安料金を実現しています。
理由2.店舗が少ないからコストがかからない
ドコモショップやauショップ・ソフトバンクショップは街中で見かけるけれど、格安SIMの店舗ってあまり見かけませんよね。MVNOは携帯キャリアのようにいろいろな街に店舗を持つことなく、Webでの販売やサポートをメインにすることで、店舗の維持費や人件費を抑えているのです。
理由3.料金プランもシンプル
格安SIMは料金プランが実にシンプルです。データ通信のみか、音声通話もするのかを選ぶと、あとは使いたいギガ数を選べばOK。オプションサービスも厳選したものだけが提供されていて、数が少ないのが特徴です。そのようにプランをシンプルにすることで、開発コストや運用コストを抑えています。あまりにもいろいろ選べるようにすると、後々システム開発が必要な時に開発コストがすごいことに…なんてことも。シンプルってとっても大切で、利用者にも恩恵が還元されるんですね。
理由4.できることは自分でやってねスタイル
ドコモショップなどで携帯を買うと、サポートしてくれる初期設定。丁寧でとってもありがたいですよね。でもそこもシビアにいうとコストがかかっていて、利用者の月額料金にコストが配布されてきます。
格安SIMでは、Webで申し込みを行うとSIMカードが郵送で届くだけ。SIMカードを受け取ってから、端末への差し込みや初期設定は利用者自身が行わなくてはいけません。そうすることで、キッティング費用を抑えているのです。
理由5.いろいろな企業が参入するから生まれる価格競争
MVNOにはいろいろな業種のたくさんの企業が参入しています。通信事業はいわゆるストックビジネスで、利用者に継続的に料金を支払ってもらう事で利益を上げていくビジネスモデルです。なので、たくさんの人に顧客になってもらうため、各社しのぎを削って顧客獲得にいそしんでいます。そうすると必然的に月額料金が安くなったり、キャンペーンがあったりと格安に磨きがかかっているのです。
格安SIMのメリットとデメリット
安さの理由がわかった格安SIM。続いては、メリットとデメリットを解説します。それぞれをきちんと把握することで、納得して乗り換え時の候補にできるようにしておきましょう。
メリット
- 携帯キャリアから見て、月々の料金が安い。
- 最低利用期間がない。
- 料金プランがシンプルでわかりやすい。
メリットはなんといっても月額料金の安さです。最近は携帯キャリアからもサブブランドが出たりと、比較的安く使える回線が増えましたが、やはり安さでいうと格安SIMが目を引きます。また、〇年間使わないと違約金が発生するなんて、契約期間の縛りがない点も魅力的です。
デメリット
- 実店舗が少なく、対面での相談・申し込みがしにくい。
- 昼休みや夜間など、みんなが利用する時間帯は速度が遅くなることもある。
- たくさん電話する場合、通話料が高くなることもある。
- キャリアメールが使えないので、メアドを変える必要がある。
安さの理由でもふれたように、実店舗がすくないので対面でのサポートを希望される方は不便に感じるかもしれません。ただ、こちらはサポートが悪いわけではなく、コールセンターやチャットボットなどでのサポートを受けることができます。
また、昼休みや夜間など、多くの人が利用する時間帯は通信速度が遅くなることもあります。昼休みにたくさんWeb検索をする方は不便を感じることがあるかもしれませんが、前もって携帯に動画をダウンロードしておいて視聴しているなどの場合は不便は感じないでしょう。
そしてたくさん電話をする方は、通話時間無制限のかけ放題プランがある携帯キャリアを利用をおすすめします。キャリアメールをそのまま利用したい方も、携帯キャリアの継続利用がおすすめです。
格安SIMに向いているのはどんな人?
ここまでで、安さの理由やメリット・デメリットを見てきましたが、実際自分が格安SIMの利用に向いているのかが気になるところです。
以下のような方に、格安SIMが向いているのではないかなと思いますので、自分が当てはまるかチェックしてみてください。
- 携帯料金は安く抑えたい。
- モバイル回線は使えればいい。対面サポートは重要視していない。
- 電話はあまりしない。してもLINEなどのデータ通信での通話が多い。
- メールはGメールなどのフリーアドレスを利用している。
- 昼休みに携帯でネット検索などをあまりしない。
私自身も格安SIMを利用していましたが、一番メリットに感じたのはとにかく携帯料金が安くなったこと、デメリットに感じたのは昼休みに通信速度が遅かったことでした。
全部が快適なモバイル回線を選べば、それは料金もステキ価格なわけなので、そこをどう天秤にかけて納得して使い続けられるかが、回線選びの大切なポイントだなと思っています。
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